芸人の「一発芸」を商標登録することはできる?
2017.08.03
文字や音などで特定できる一発芸は、商標登録の対象になる
毎年のように新たな芸人が新たな一発芸を披露し話題になっています。
すると、その一発芸を利用し、それで商売をしようとする人が後を絶ちません。
パーティーグッズなどが代表的であり、その時に一発芸の際の音や文字が使われるということがよくあります。
こうしたことを避けるために商標登録をしておきたいと考えるのは自然ですが、この場合、商標登録は可能なのかを知っておきたいところです。
結論からいえば、文字や音などで特定できる一発芸は商標登録の対象になります。
芸人又は芸人が所属する芸能事務所が出願することが一般的に行われているようです。
以前までは文字や図形などが商標登録の対象でしたが、近年、音もその対象となり、CMのジングルなどがその代表例です。
楽譜に残るものが主な対象ですが、楽譜に残らないものは文章で説明して特定することになります。
一発芸を商標登録で保護しようとする場合、文字や図形、そして音の部分のところまで包括的に行っておくと万全と言えるでしょう。
商標登録されている一発芸を無断利用したら商標権侵害となる
ここで問題となるのが、実際に商標登録をした場合、他の芸人がその一発芸を使うことができるのかというものです。
最近ではパロディを行う芸人もおり、そうした人がパロディをできなくなるのではないかという懸念が生じます。
そもそも商標権は商品・サービスの提供主体を明らかにするものであり、勝手にそれを使い、消費者に誤解を与える行為は禁止されています。
議論のあるところですが、パロディとして行った場合はそれがパロディであることは明らかであるため、誤解を与えないということで商標権侵害ではないと考える余地はあると思います。
一方で、お笑いライブなどで、商標登録されている一発芸を持つ芸人が出ないにもかかわらず、無断で利用し、それで集客をかけ、あたかもその芸人が来るかのように装うというものは商標権侵害になるのではないでしょうか。
こうしたことからも、芸人の一発芸を商標登録する動きは今後強まるのではないでしょうか。
弊所では商標登録に関するさまざまなご相談を受け付けております。商標登録でお困り、お悩みの方はぜひスカイ特許事務所までご連絡ください。